クワガタの幼虫飼育方法の種類

概要

クワガタの幼虫飼育方法である未発酵マット,発酵マット,菌糸,材飼育の4種類について、メリットやデメリット,特徴,価格などについて解説します。

未発酵マット

広葉樹の朽木を粉砕しただけのマットで、一次発酵マットと呼ばれることもあります。木の色(肌色っぽい色)をしていて、匂いも木の匂いです。栄養価は低く大きな成虫にはなりません。目安としてはコクワガタのオスで35mm前後,ミヤマクワガタのオスで50mm程度,ヒラタクワガタのオスで40mm台前半が羽化します。環境にもよるが幼虫期間は長く、2年程度であることが多く、1年で成虫になることは少ない。幼虫の死亡や羽化不全はあまりありません。価格は10リットルで400~500円程度である。

発酵マット

未発酵マットを発酵させたマットで、二次発酵マットと呼ばれることもあります。茶色や黒っぽい色をしていて、匂いも土っぽい匂いである。栄養価が高く一般的に大きな成虫になります。西日本産ヒラタクワガタであれば、比較的簡単に60mm以上のオスが羽化します。幼虫期間は1年程度であることがほとんどである。ヒラタクワガタやノコギリクワガタの幼虫飼育に適しています。幼虫の死亡や羽化不全はあまりありません。価格は一般的に10リットルで800円~1200円程度である。なお、自作することも可能であり、その場合は自作のための手間を除くと10リットル当たり500円程度以下である。詳しくは、発酵マットの作り方をお読みください。

菌糸

オオクワガタの大きな成虫を育てるのに有効な方法である。簡単にオオクワガタのオスが70mm以上で羽化するらしいが、夏期を中心に25℃以下になるように冷房を使うなどして温度管理をする必要があります。幼虫期間は1年程度である。幼虫の死亡や羽化不全がやや多いらしい。一般的に、オオクワガタやヒラタクワガタ、コクワガタなどの幼虫飼育には適していて、ノコギリクワガタやミヤマクワガタの幼虫飼育には適していないとされているが、近年はこれらのクワガタにも使えるようである。価格はボトル1本400~800円程度である。なお、当研究所では飼育経験はありません。

材飼育

朽木の中で幼虫を飼育する方法である。幼虫が全く見えないためどのような状態であるかや交換のタイミングがわかりにくい。大型個体が羽化しにくく、また、幼虫期間も2年程度と長いらしい。なお、当研究所では飼育経験はありません。

まとめ

とりあえず育てるだけであれば、価格の安い未発酵マットでも問題ありません。手軽に大型個体を狙うのであれば発酵マットで飼育をします。温度管理ができてオオクワガタを少しでも大きな個体を育てたいのであれば菌糸がいいでしょう。ヒラタクワガタは発酵マットと菌糸では羽化する成虫の大きさにあまり差はないようです。オオクワガタの場合は菌糸の方が明らかに大きくなるようです。

飼育の種類 温度管理 栄養価
  • 1L当たりの価格
  • (材は直径10cm,長さ14cm)
成虫サイズ 幼虫期間
未発酵マット 不要 40~50円 小型~中型 2年程度
発酵マット 不要 80~120円 中型~大型 1年程度
菌糸 必要 300~400円 大型 1年程度
材飼育 不要 350~500円 中型 2年程度
関連項目