採集個体のクワガタの産卵方法

概要

ヒラタクワガタやノコギリクワガタ,コクワガタなどの野外で採集・捕獲したクワガタのメスに産卵させる方法について解説します。

産卵方法

野外で採集したクワガタのメスはすでに産卵済みであるためか、産卵セットを組んでも産卵しなかったり、産卵しても産卵数が極端に少ないといった場合があります。このような場合、産卵させるためには休養させる必要があると考えられます。ヒラタクワガタのように温暖な気候を好む種類であっても、関西地方平野部であれば、常温飼育でも9月中旬くらいまでであれば何とか産卵させることができるため、この期間まで可能な限り休養をさせます。休養させている期間はエサをたくさん与えます。この状態を最低でも1ヶ月は続けます。ただし、産卵させることができる時期には限度があるため、その範囲内で臨機応変に対応します。エサをたくさん食べていれば産卵の望みはあるかと思います。

また、ヒラタクワガタやコクワガタのように複数年生きる種類のクワガタについては、越冬させて次の年に産卵させるという方法もあります。しかし、野外で採集した個体の寿命については、羽化した時期がわからないために推測が難しく、翌年まで生きている保証はないため、できるだけ採集した年に産卵させ、翌年の産卵は生きていればさせるようにします。

1回の産卵数が少ない場合は、複数回産卵させる方法もあります。産卵後は1ヶ月程度休養させて再び産卵させます。6月中旬までに採集した個体であれば、7月中旬,8月中旬の最低2回は産卵させることができます。また、関西地方平野部であればさらに9月中旬にも産卵させることができるため3回産卵させることも可能です。また、最終後に1回越冬している個体であれば、6月中旬,7月中旬,8月中旬,9月中旬の4回産卵させることも可能かもしれません。ただし、6月中旬に産卵させると、幼虫飼育の際に温度管理を行わなかった場合、メスが9月頃にサナギになってしまい、小さな個体しか羽化しない場合があります。また、9月中旬に産卵させると、メスは翌年に成虫になる場合がほとんどですが、オスは更に翌年(産卵から2年後)に成虫になる場合があります。

その他、産卵セットの組み方については、野外で採集した個体だからといって特別何かをする必要はありません。産卵セットの組み方については、ヒラタクワガタの繁殖産卵方法ノコギリクワガタの繁殖産卵方法コクワガタの繁殖産卵方法,またはクワガタの繁殖産卵方法全般をお読みください。

関連項目