メダカ(ヒメダカ,シロメダカ)の産卵方法(繁殖方法)を解説します。産卵(繁殖)に必要なものや準備をすること,環境,注意点,卵の管理,オスとメスの判別方法などについて解説します。
産卵させるためには、繁殖期になる前からエサを十分に与える必要があります。エサが足らないと卵に栄養がまわらず、産卵しなかったり産卵しても卵が孵化しなかったり孵化してもうまく育たなかったりという可能性があります。
産卵させる場合は、メダカのオスとメスをそれぞれ複数匹入れておくとよい。産卵は、早い個体では孵化後3ヶ月程度から可能となります。オスとメスの判別は、オスは背びれに切れ込みがあり、メスにはないことで行えます。また、オスの尻びれは平行四辺形(長方形)に近い形をしており、メスは三角形に近い形をしています。よくわからない場合は、10匹程度入れておけば、たいていの場合はオスとメスが入っていると思って問題ありません。
産卵期は主に4~10月頃であるが、水温が高い夏期(7~8月頃)は産卵しないことが多い。なお、メダカの場合は基本的に適度な日長時間(昼間の明るい時間)と産卵に適した水温になれば産卵するようである。そのため、昼間は明るい場所に置くようにします。1日中薄暗い場所だと産卵しない可能性があります。同じ個体が毎日産卵するとは限りませんが、複数のメスがいればたいていの場合はどれかの個体が産卵しているくらいよく産卵します。稚魚の飼育はある程度の水温があった方がしやすいため、春に産卵させる方がよい。秋に産卵させた場合、稚魚がある程度の大きさに成長する前に冬を迎えてしまうため、飼育がやや難しくなり死亡する個体が増える可能性があります。
メダカは水草に産卵するため、水草があった方がよい。メダカの産卵に使える水草にはオオカナダモ(アナカリス)やハゴロモモ(フサジュンサイ,ガボンバ)があります。メダカの卵は水草に絡みつかせる構造であるため、ビニールひもで作った人工水草には卵がからみつかず、あまり意味がないようである。水草がなくても産卵はしますが、卵は底面に沈んでしまいます。水換えのときに底面に沈んだ卵を回収するという方法でも問題なく増えます。なお、水草を入れていても底面に沈む卵もあるため、水換えのときに卵がないかの確認はした方がいいでしょう。
産卵を確認した場合は、親魚が入っている水槽から卵を移動させます。そのままにしておくと親魚が卵や孵化した稚魚を食べてしまい増えません。卵の管理からそのまま稚魚の飼育に移行すると楽である。そのため、卵は稚魚飼育用の砂利を敷いた広めの入れ物に入れて管理するとよい。詳細についてはメダカの稚魚飼育方法をお読みください。
卵を移動させる場合は、水草ごと移動させるのが楽です。水草についている卵だけを手で取って移動させるという方法でも問題はありませんが、この方法の場合は移動させた飼育ケースの底面に沈むことになり、孵化率がやや低下するかもしれません。また、卵が1ヶ所に密集していると孵化率低下の原因になる場合があるため、できるだけ分散させるようにします。
なお、メダカは毎日のように産卵するため、1週間程度の期間をひとまとまりとして同じ飼育ケースに入れるようにします。期間を長くしすぎると、最初に孵化した個体と最後に孵化した個体とで大きさに差が出すぎて、大きい個体が小さい個体を食べてしまう場合もあり、その場合は数が増えないからである。
稚魚の飼育方法に関しては、メダカの稚魚飼育方法をお読みください。