メダカ（ヒメダカ，シロメダカ）の稚魚の飼育方法（飼い方）を解説します。飼育に必要なものや準備をすること，飼育環境，エサ，エサやりの方法，水換えの方法，注意点などについて解説します。
孵化した稚魚は4mm程度のため、全ての水を換えるといった大掛かりな水換えはできません。そのため、ある程度の大きさまで成長するまでは、水換えをほとんどしなくてもよいような環境を作る必要があります。そのためには、砂利を敷き、水草を入れた飼育ケースを屋外に置くのがよい。なお、直射日光が当たっても問題はありませんが、真夏などは水温が上がりすぎてメダカが死ぬ場合があるので注意してください。
飼育ケースは5リットル以上の水を入れることができるものを使用し、底に砂利を敷くようにします。これである程度、水質の安定と汚れを防止できます。稚魚の時にエアーポンプを使うと、稚魚が吸い込まれたり泡の影響で奇形が増えたりといったことが起こる可能性があるため使用しない方がいいようです。そのため、エアーポンプなしでも酸素が十分水中にある環境を作る必要があります。このことからも大きな飼育ケースが必要となります。また、酸素を供給するために水草を入れておきます。水草を入れておくと、水草の葉や茎の表面には非常に小さな藻類が生えたり付着したりするため、これらが稚魚のエサにもなります。水草を入れるため、飼育ケースは明るい場所に置く必要があります。
これらの準備は飼育ケースに卵を入れるときに行えばよい。卵の孵化までには1週間程度の期間がかかるため、この間に飼育ケース内にエサとなる藻類や微生物が増えるからである。
メダカは毎日産卵するため、1週間程度の期間をひとまとまりとして同じ飼育ケースに入れるようにします。期間を長くしすぎると、最初に孵化した個体と最後に孵化した個体とで大きさに差が出すぎて、大きい個体が小さい個体を食べてしまう可能性もあり、その場合は大きな個体だけが残り、数が増えなくなります。
水草を入れたり、事前の準備により飼育ケース内にエサとなる藻類や微生物が発生している場合は、エサを与えないか補助的にエサを与えるようにします。通常は、少量の人工飼料をエサとして与えるだけで問題なく成長することが多い。目に見えて大きくなった頃になると、進んでエサを食べるようになるので、この頃から人工飼料をメインのエサとするようにします。稚魚は小さいため、稚魚用のエサや普通のエサを細かくすり潰したものなど、できるだけ細かいエサを与えます。エサは浮上性の物でも沈下性のエサでもよい。
水草の葉や茎の表面には非常に小さな藻類が生えたりついたりしていて、これを稚魚のエサとし、基本的にエサを与えずに育て、孵化後1ヶ月程度からエサを与えるという方法もあります。稚魚の飼育をする場合、特に水草を使って産卵させた場合は、暗い場所だと水草が腐ってきて水質が悪化するなどのことが起きるため、明るい場所で飼育するようにしてください。明るい場所であれば直射日光を当てる必要はありません。逆に、直射日光を当たると、水温が高くなりすぎるという可能性もあるため、控えた方がいいかもしれません。
水換えは水が汚れてきたときに行います。あまり水が汚れているように見えなくても、ある程度の期間がたてば汚れてきているため、定期的に水換えをするようにします。目安としては2週間に1回程度は水換えをした方がよい。水換えをするときは、小さな入れ物で少しずつ水を抜いていくという方法を使います。このとき、稚魚をすくわないように気をつけます。なお、稚魚をすくってしまった場合は、すくった水ごと飼育ケースに戻せばよい。
メダカの稚魚は表層を泳ぐため、小さな入れ物で少しずつ水を抜いていくという方法でも、入れ物ですくった水の中に稚魚がどうしても入ってしまうため水換えはやや難しい。ただし、1匹当たりの産卵数は多くないため、飼育ケース内の稚魚の数が極端に多くなるということはないであろうから、1ケース当たりの飼育数を少なめにすれば水換えは比較的楽になります。
最低でも全体の半分は水を換えることを目標とします。可能であれば10分の7～10分の9程度を換えてもよい。一度に換える水の量が少なすぎると、水換えの頻度が高くなります。水を抜いたあとは、カルキを抜いた新しい水を元の量まで入れればよい。新しい水を入れるときは、できるだけ静かに入れるようにします。