水換えとその注意点

概要

淡水魚(川魚)を飼育する際には水換えが必ず必要となってきます。魚が死なないようにするためには適切な時期に水換えをする必要があります。このページでは、水換えを行う時期(タイミング)なのかどうかの見分け方について解説します。また、水換えを行う際の注意点,全水換え・部分水換えとそれぞれのメリット・デメリットについても解説します。

水換え時期

淡水魚(川魚)を飼育する上で基本となるのが水換えである。透明だから水がきれいというわけではなく、見た目が透明できれいに見えても水質が悪化していることもあるため注意が必要である。

魚の鰭が赤くなったり体表が赤くなった(出血して赤くなっている)場合(キンギョのようにもともと赤い種類を除く)は水換えをした方がよい。通常、水を換えると数日で治ります。なお、水槽の水の8割程度のように部分的に水換えを行った場合は治らない場合もあります。その場合は、水槽の水を全て交換し、更に水槽やろ過装置も掃除すると治る場合が多い。

他にも、通常と異なる行動をする場合、例えば、普段は中層や低層を泳いでいる魚が表層付近を泳いでいる場合で、水を換えて日数が経過している場合は要注意であり、水を換えて様子を見たほうがよい。また、水温や気温が特に変化していないのに急激にエサの食べ方が減少したり、繁殖期が終わっていないのに、全ての個体またはほぼ全ての個体の婚姻色が薄くなった時なども水質が悪くなっている場合が多く、水を換えた方がよい。川魚の場合、鱗にツヤがなくなってきた場合も水質が悪化している場合が多く、水換えが必要となります。

また、エアーポンプの泡が水面でなかなか消えなくなった時も、見た目はきれいでも水質は悪くなってきている証拠である。このような場合は、見た目の水の状況に関係なく、水換えをした方がよい。水換え直後と比較するとよくわかるが、水換え直後は1秒以内にエアーポンプの泡が水面で消えるのに対し、水換えをしてから長く期間が経過したものは、泡が消えるまでに3~5秒程度かかります。ただし、水換え直後でも泡が消えるまでに少し時間がかかる場合がありますが、たいていの場合はしばらくする(1日程度)とすぐに消えるようになります。

水換えの注意点

長い間水換えをしていなくて、その結果として死ぬ魚が現れた場合、エアーポンプなどを完備していて正常に動作していれば酸欠による死亡ではないと考えられるため、水の影響が高いと考えられる。死ぬ魚が出たということは、生存している魚も限界に近づいている可能性があります。水の全交換は魚に少なからずストレスを与えるため、このように体力が低下しているときに余分なストレスを与えると、水を換えることで元気に見えた魚まで死んでしまう場合があります。もっとも、水槽の水の半分や3分の2を取り換えても、元気に見えた魚が水換えによって死なないという保証はないが、全ての水を換えるよりは負担は少ないはずである。全ての水を換えるにしても、とりあえず半分程度のみを換えて、数日後に全ての水を換えるという方が確実によいようである。もっとも、このような状況になる前に水換えをすることを心掛ける必要があります。

また、魚は夜間などの暗いときに蛍光灯などの明かりをつけるとびっくりしてしまいます。このような状況で水換えをしたり、水槽の魚を網ですくったりするとショック死する場合があります。そのため、蛍光灯をつけてからしばらくはそっとしておき、魚が明るさに慣れるのを待ってから、水換えなどの作業を行う必要があります。

水換えを行い場合には、水換え前と水換え後の水温ができるだけ同じになるようにします。水温に大きな差があると魚が死亡する場合があります。水換えの際に新しい水が体感でも温かい場合や体感で明らかに水温差がある場合は、魚が死亡する場合があるため注意が必要です。特に、水換え後の水温が水換え前よりも高い場合は危険である。夏期は水換え時に水温差が出やすくなり、特に水を汲み置きして塩素(カルキ)を抜いている場合は水温が高くなりがちである。

水換えを行う際には、通常は水道水を使うと思いますが、その場合には塩素(カルキ)を抜く必要があります。汲み置きをして塩素(カルキ)を抜く場合、ペットボトルのように入口が狭い入れ物の場合は塩素(カルキ)が抜けにくくなります。また、冬季は夏季と比べて塩素(カルキ)が抜けにくくなる傾向があるようです。入口が狭い入れ物の場合、夏季は2日程度で塩素(カルキ)が抜けますが、冬季は4日程度かかります。魚種によって塩素(カルキ)に強かったり弱かったりします。塩素(カルキ)に弱い魚種の場合、塩素(カルキ)の抜き方が不十分だと水換え後に魚が水面を泳ぐようになる場合があります。このような状態でそのままにしておくと魚が死亡する場合もあるため注意が必要です。

全水換えと部分水換え

全水換えとは、水槽の全ての水を交換することである。全水換えのメリットは、完全に新しい水になるため、汚れ要素を完全に排除できる,デメリットは、水換え後の水質が不安定になる場合があり、すぐに濁ったりする場合があります。

部分水換えとは、水槽の水の2~8割程度を交換することである。部分水換えのメリットは、古い水を残すため、バクテリア等が残り、水換え後の水質が安定する,デメリットは、古い水が残ることにより、水が完全にはきれいにならないため、水質が悪くなって鰭や体表から出血している場合に、水換えをしても治らなかったり、治ってもすぐに再発してしまう場合があります。なお、夏季においては、1週間に1回程度の頻度で全体の8~9割の水を換えている場合でも、3~4回に1回は全交換したほうがよい。

全水換えの場合、状況によっては水換えをしたことにより死亡する個体が出る場合もあります。一方で、部分水換えの場合は、水換えをしたことにより死亡する個体が出にくい。冬季以外(4~10月くらい)は全水換えを行っても死亡する個体が出ることはほとんどありませんが、冬季(12月~3月上旬くらい)は魚種によっては全水換えを行うと病気になったりして死亡する個体が出る場合があるため、冬季は全水換えではなく部分水換えを行うことが好ましい。また、部分水換えを行う場合でも、全体の8~9割を交換するといった部分水換えは行わず、最大でも5~7割程度にしておく方がよい。水換えをする割合が高くなると、水換えをしたことにより死亡する個体が出る可能性が高くなります。

関連項目