タウナギの飼育方法

概要

タウナギの飼育方法(飼い方)を解説します。飼育に必要なものや飼育環境,飼育ケース(水槽)の大きさ,飼育する上での注意点,エサ,水換えなどについて解説します。

飼育設備と環境

体長40~60cm程度にまで成長しますが、どちらかというと水底でじっとしてあまり動かないため、大きさの割に小さな飼育ケース(水槽)で飼育することができます。体長と同程度の大きさがあれば問題ありません。体長20cm程度までの比較的小さな個体の場合は、直径15cm程度や1辺の長さが15cm程度、高さ25cm程度のノリの瓶でも飼育できます。水深は5cm程度で問題ありません。この場合は水面からビンの上まで高さが20cm程度あるため、フタはしなくても脱走することはありません。また、40~50cm程度の大きな個体でも、縦25cm,横40cm程度の大きさの飼育ケース(水槽)で飼育することができます。

タウナギのエラはやや退化していますが、口から空気中の酸素を直接取り込むことで呼吸することができます。タウナギはこれを主な呼吸方法としているため、エアーポンプは必要ありません。その代わり、水面に口を出す必要があるため、水深は深くても体長の3分の1~2分の1程度にする必要があります。一般的には体長の7分の1~4分の1程度で問題ありません。体長30cm程度であれば水深は5~8cm程度で問題ありません。なお、40~50cm程度の個体でも、水深は8cm程度でも問題なく飼育できます。

水質悪化にも強く、ろ過装置もなくても問題ありません。ただし、あまりにも水質が悪い場合は死亡することがあります。アカムシやイトミミズなどの生きたエサを使う場合、これらのエサがエアーリフト式のろ過装置内に入り込むため、ろ過装置はないほうがよい。

飼育ケース(水槽)からよく脱走するため、フタが必要である。なお、少しの隙間からでも脱走するため、完全にフタのできるものがよい。オススメは、昆虫の飼育用のプラケースである。フタを完全にできるため、脱走することがありません。水面から飼育ケース(水槽)の上部まで体長の半分以上の長さ(例えば、体長40cmのタウナギであれば、水面から飼育ケースの上部まで20cm)があれば、脱走する可能性は低いですが、念のためにフタはしておいたほうがいいかもしれません。基本的に、大型個体を飼育する場合は、水面から飼育ケース(水槽)の上部までの距離が近くなるため、フタはしておいたほうが無難です。

水温30℃を超えると、暑さで死亡する場合があるため、水温30℃以下の環境が好ましい。なお、1日の気温変化の小さい場所で飼育するのがよい。室内の1階で冷暖房を使用しない場所が適しています。1日の気温変化が大きいと、タウナギが死亡する場合があります。1日の気温の変化が小さい場所で飼育している場合は、ヒーターはなくてもよい。また、昼間は明るく夜は暗い場所がよい。

飼育方法

タウナギは肉食魚であるため、1つの飼育ケース(水槽)に1匹ずつ飼育する単独飼育が基本となります。タウナギ同士でかつ同じような大きさの個体であれば1つの飼育ケース(水槽)で複数飼育もできなくはないですが、他の個体に噛みついたりする場合があります。そのため、体に傷がつく場合があります。

エサは春~夏~秋にかけては1日~数日に1回、アカムシ,ボウフラ,イトミミズ,ミミズ,ゴキブリ,ハエ,ガの幼虫などの生きたエサを与えます。ただし、タウナギは動きが遅いため、素早く移動するものはうまく食べることができない場合があるためエサに適していません。生きたエサの場合、口に入る大きさのものであれば基本的に何でも食べます。

なお、冬季はほとんどエサを食べないため、エサはほとんど与えなくてよい。1週間~2週間に1回程度、少量エサを与える程度で問題ありません。また、冬季は野外で捕獲してきたアカムシやボウフラ,イトミミズを与えると、これらのエサと一緒に持ち込まれたことが原因と考えられる水カビ病が発生する場合があるため注意が必要である。

慣れるとキンギョのエサといった人工飼料も食べるようになります。しかし、最初はなかなか人工飼料を食べようとしません。そのため、タウナギを適度に空腹な状態にしつつ、人工飼料を与えるようにします。空腹になっても人工飼料を食べない場合があるため、適度に生きたエサを与えるようにしないと餓死する場合があります。最初は人工飼料を与えても食べないため、食べるようになるまではごく少量を与えるようにします。このように徐々に人工飼料に慣らせていく必要があります。人工飼料を与える場合は、1日1回、数分で食べきる量を与えます。食べ残しが出ると水が汚れる原因となります。人工飼料はキンギョのエサで問題ありません。水面に浮いていても食べることができるため、沈下性のエサである必要はありません。ちなみに、人工飼料を食べない個体をすでに人工飼料を食べる個体と一緒に飼育すると、比較的すぐに人工飼料を食べるようになる場合があります。

水換えは水が汚れてきた場合に行います。基本的に全ての水を交換すればよい。新しく入れる水は必ずカルキ(塩素)を抜いたものを使います。全ての水を交換する際には、必ず魚を一時的に別のケースに移動する必要がありますが、この時に使う水も必ずカルキ(塩素)を抜いたもの、または水換え前の水を使うようにします。水換えの際には水槽を丸ごと洗います。なお、水槽を掃除する場合に洗剤などを使ってはいけません。なお、冬季は夏季などと比べて水質悪化への耐性が低くなる傾向があるため、水が汚くなる前に換えるようにします。夏期は水換え時に水温差が出やすくなるため注意が必要です。特に水を汲み置きして塩素を抜いている場合は水温が高くなりがちである。水換えの際に新しい水が体感でも温かい場合や、体感で明らかに水温差がある場合はタウナギが死亡する場合があります。特に、水換え後の水温が水換え前よりも高い場合は危険である。

その他

人間に非常によく慣れ、人が飼育ケースを覗くとエサを欲しがって水面に顔を持ち上げてくる場合があります。アカムシやイトミミズなどをエサに使う場合は、砂利を敷くとその中に入ってしまうため敷かない方がよい。なお、飼育することだけが目的の場合は水草はなくても問題ありません。

タウナギは寝ているのか、くつろいでいるのかはわかりませんが、ひっくり返って腹側を上(水面側)にしていることがあります。人が近付いたり飼育ケース(水槽)に振動を与えたりすると、タウナギが振動を感じて背側を上にして元に戻ります。

関連項目