カジカの飼育方法(飼い方)を解説します。飼育に必要なものや飼育環境,注意点,エサ,水換えなどについて解説します。
15cm程度にまで成長するため、35cm以上の水槽が必要である。エアーポンプはあった方がよい。アカムシやイトミミズなどをエサに使う場合、これらのエサがエアーリフト式のろ過装置内に入り込むため、ろ過装置はないほうがよい。なお、広めの水槽で単独飼育の場合は、エアーポンプやろ過装置がなくても飼育ができないわけではありません。ただし、エアーポンプがないと水質の悪化が早くなるため、水換えの頻度が高くなる場合があります。そのため、エアーポンプはあったほうが好ましい。
ウツセミカジカの場合は平野部にも生息しているため、比較的高水温でも問題ありませんが、それでも水温28℃程度が限界である。これ以上の水温の場合、暑さが原因で死亡する場合があります。安全を見ると水温25℃以下の環境が好ましい。なお、西日本平野部においては、常温では水温25℃どころか28℃ですら超えるものと思われます。そのため、クーラーを使用し室温が25℃程度以下になる環境や水槽内の水を冷却し水温25℃程度以下になるようにするといったことが必要になる場合があります。
さらに、1日で水温の変動が小さい場所、すなわち1日で気温の変動ができるだけ小さい場所がよい。室内の1階で冷暖房を使用しない場所が適しています。1日の気温の変化が小さい場所で飼育している場合は、ヒーターはなくてもよい。また、昼間は明るく夜は暗い場所がよい。
肉食魚であるため、単独で飼育します。なお、同種や同種でなくても同じくらいの大きさであれば1つの水槽で複数の個体を飼育できる場合があります。当研究所では、同じような大きさのカジカとウキゴリを同じ水槽で飼育しても問題なく飼育出来ました。
春~夏~秋にかけては数日に1回、アカムシ,ボウフラ,イトミミズ,エラミミズなどの生きたエサを与えます。生きたエサを与える場合、エサが砂利やエアーリフト式のろ過装置内に入り込むため、使わない方がよい。また、生きたエサでなくても、冷凍アカムシを解凍したものもよく食べます。キンギョのエサといった人工飼料はなかなか食べません。なお、冬はほとんどエサを食べないため、エサはほとんど与えなくてよい。
比較的水のきれいな場所に生息するため、水質悪化にはやや弱い。水換えは水が汚れてきたり、一定の期間が経過すると行います。目安としては1週間に1回程度、水換えを行います。全体の2~8割の水を交換する部分的な水の交換のほかに、全ての水を交換する方法もあります。新しく入れる水は必ずカルキ(塩素)を抜いたものを使います。全ての水を交換する際には、必ず魚を一時的に別のケースに移動する必要がありますが、この時に使う水も必ずカルキ(塩素)を抜いたもの、または水換え前の水を使うようにします。
水換えの際には水槽も洗います。全ての水を交換しない場合は、水槽の側面の汚れを掃除します。全ての水を交換する場合は、水槽を丸ごと洗います。なお、水槽を掃除する場合に洗剤などを使ってはいけません。なお、水温変化に弱く、水換え時に水換え前よりも少しでも水温が高くなると死亡する場合があります。前日からカジカを飼育している場所に水を置いて、水温が同じになるようにしておくことが好ましい。
水位を満水より7cm程度下げておけば水槽からの飛び出しは基本的にありませんが、フタはしておいた方が無難である。アカムシやイトミミズなどをエサに使う場合は、砂利を敷くとその中に入ってしまうため敷かない方がよい。また、水草は飼育することだけが目的であれば不要です。