カワバタモロコの稚魚飼育方法

概要

卵から孵化したカワバタモロコの稚魚は3mm程度とかなり小さく、親魚と同じように飼育することはできません。カワバタモロコの稚魚を飼育するために必要なこと,準備をすること,飼育環境,エサ,エサやりの方法,水換えの方法などの飼育方法(飼い方)について解説します。

飼育環境

カワバタモロコの稚魚の飼育方法(飼い方)は、10リットル以上の水を入れることができる大きな飼育ケースを屋外に置き、その中に藻類や微生物を発生させ、それらをエサにすることを基本とします。

孵化した稚魚は3mm程度とかなり小さいため、全ての水を換えるといった大掛かりな水換えはできません。そのため、ある程度の大きさに成長(目安としては孵化後3~4週間以上)するまでは、水換えをほとんどしなくてもよいような環境を作る必要があります。

飼育ケースは10リットル以上の水を入れることができるものを使用し、底に砂利を敷くようにします。これである程度、水質の安定と汚れを防止できます。稚魚の時にろ過装置やエアーポンプを使うと、稚魚が吸い込まれたり泡の影響で奇形が増えたりなどが起こる可能性があるため使用しない方がいいようです。そのため、エアーポンプなしでも酸素が水中に十分ある環境を作る必要があります。そのためにも大きな飼育ケースが必要となります。また、酸素を供給するために水草を入れておきます。水草を入れておくと、水草の葉や茎の表面には非常に小さな藻類が生えたり付着したりするため、これらが稚魚のエサにもなります。また、飼育ケースは屋外に置く方がよい。なお、直射日光が当たっても問題はありませんが、真夏などは水温が上がりすぎて稚魚が死ぬ場合があるので注意してください。

カワバタモロコの稚魚は小さいため、細かくすりつぶした人工飼料ですら食べることができないようである。そのため、産卵する1週間程度前に飼育ケースに水や砂利,水草を入れ、飼育ケース内に稚魚のエサとなる藻類や微生物が増えるようにしておきます。

エサやり

孵化後数日は卵黄が残っており、水草や飼育ケースの壁などにひっついているためエサは不要である。孵化した稚魚は小さいため、細かくすりつぶした人工飼料ですら食べることができないようである。そのため、しばらくの間は飼育ケース内に自然に増えた藻類や微生物をエサとします。この間は基本的にエサを与えなくてよい。孵化後2~4週間程度経過し、孵化したときよりも目に見えて大きくなれば、細かくすりつぶした人工飼料をエサとして与えます。このとき、エサが水中を漂うようにするとよい。水面に浮いているエサは食べないかもしれません。

水換え

稚魚がある程度成長(目安としては孵化後3~4週間以上)して水換えができるようになった場合や、稚魚の個体数が少なく水を換える際に稚魚を掬ってしまわない場合は、状況に応じて水換えを行います。水換えは水の表面に油が浮いてきたり水の透明度が下がって汚れてきたときに行います。小さめのケースで浮いている油を掬うようにして水をとります。この時、稚魚を一緒に流さないように注意します。なお、カワバタモロコの稚魚は基本的に中層~下層を泳ぐため、飼育ケース全体の半分程度の水であれば比較的簡単に抜くことができます。1回の水換えで全体の半分~10分の9程度換えればよい。水を抜いた後は、カルキを抜いた新しい水を入れて、もとの量に戻せば完了となります。

その他

孵化した年の11~12月頃にはカワバタモロコの稚魚はある程度大きくなっているため、この頃になると室内で飼育するようにします。そのまま屋外で飼育すると(孵化の翌年の)春になると1日の気温変動が大きいため、これが原因で死亡する場合があります。

カワバタモロコの稚魚の成長は遅く、飼育環境によって異なるが、1mm程度のエサを食べることができるようになるまでに孵化後2年程度かかる場合があります。孵化後半年以上経過し、2cm程度にまで成長すれば、網ですくっても問題ない場合が多く、この頃から親魚と同じように飼育することができます。

関連項目