キンギョ(金魚)の稚魚の飼育方法(飼い方)を解説します。飼育に必要なものや準備をすること,飼育環境,エサ,エサやりの方法,水換えの方法,注意点などについて解説します。
孵化した稚魚は4mm程度のため、全ての水を換えるといった大掛かりな水換えはできません。また、キンギョ(金魚)の場合は産卵数が多く、孵化する稚魚の数も多くなります。また、キンギョ(金魚)の稚魚は表層を中心に泳ぐため、小さな入れ物で少しずつ水を抜いていくという方法も、入れ物ですくった水の中に稚魚がどうしても入ってしまうためそう簡単にはできません。卵を移動してから孵化後約1ヶ月までは、水換えをすることはほぼ不可能と考えた方がよい。そのため、ある程度の大きさまで成長するまでは、水換えをほとんどしなくてもよいような環境を作る必要があります。よって、大きな飼育ケースを使用し屋外に置くのがよい。なお、直射日光が当たっても問題はありませんが、真夏などは水温が上がりすぎて魚が死ぬ場合があるので注意してください。
飼育ケースは10リットル以上の水を入れることができるものを使用し、底に砂利を敷くようにします。これである程度、水質の安定と汚れを防止できます。稚魚の時にエアーポンプを使うと、稚魚が吸い込まれたり泡の影響で奇形が増えたりなどが起こるため使用しない方がいいようです。そのため、エアーポンプなしでも酸素が十分水中にある環境を作る必要があります。そのためにも大きな飼育ケースが必要となります。酸素を供給するために水草を入れておきます。水草を入れておくと、水草の葉や茎の表面には非常に小さな藻類が生えたり付着したりするため、これらが稚魚のエサにもなります。
孵化後数日は卵黄が残っており、水草や飼育ケースの壁などにひっついていて、残っている卵黄から栄養を得ているためエサは不要である。水草を入れたり、事前の準備により飼育ケース内にエサとなる藻類が発生している場合は、エサを与えないか補助的にエサを与えるようにします。通常は、少量の人工飼料をエサとして与えるだけで問題なく成長することが多い。目に見えて大きくなった頃になると、進んでエサを食べるようになるので、この頃から人工飼料をメインのエサとするようにします。稚魚は小さいため、稚魚用のエサや普通のエサを細かくすり潰したものなど、できるだけ細かいエサを与えます。エサは浮上性の物でも沈下性の物でもよい。
水草の葉や茎の表面には非常に小さな藻類が生えたりついたりしていて、これを稚魚のエサとし、基本的にエサを与えずに育て、孵化後1ヶ月程度からエサを与えるという方法もあります。しかし、この方法ではたくさんの水草を入れて少数の稚魚を飼育することはできたとしても、多数の稚魚を1つのケースで飼育することは難しいかもしれません。稚魚の飼育をする場合、特に水草を使って産卵させた場合は、暗い場所だと水草が腐ってきて水質が悪化するなどのことが起きるため、明るい場所で飼育するようにしてください。明るい場所であれば直射日光を当てる必要はありません。逆に、直射日光を当たると、水温が高くなりすぎるという可能性もあるため、控えた方がいいかもしれません。
キンギョの稚魚は表層を泳ぐ性質があるため、水換えはかなり難しい。小さな入れ物で少しずつ水を抜いていくという方法でもよいが、稚魚の数が多いと稚魚をすくわずに水をすくうことがほぼ不可能となり、水換えができない場合もあります。孵化後1ヶ月程度になると、ある程度の大きさになっているため、排水ポンプ(クリーナーポンプ)の給水口に稚魚が吸い込まれないように非常に目の細かい網などを取り付けて水を抜くという方法もあります。ただし、稚魚が吸い込まれないほど目が細かいものを使用するため、ゴミや糞によって目詰まりしてしまいます。そのため、水を抜く間に数回は洗って目詰まりを解消する必要があります。また、この方法でもどうしても稚魚が吸水口に吸い寄せられてしまうため、ショックによる死亡などは避けられないかもしれません。水を抜いたあとは、カルキを抜いた新しい水をもとの量まで入れればよい。新しい水を入れるときはできるだけ静かに入れるようにします。