クワガタとカブトムシの採集方法

はじめに

クワガタムシやカブトムシは意外と身近な場所に生息していたりするものです。住宅地の横にある小さな林でも、クヌギ等の木が生えていれば、コクワガタくらいならいる可能性は十分にあります。そのため、採集するためにはまずはクヌギの木を見つける必要があります。なお、クスノキはクヌギと似ているため慣れるまでは判別が難しいかもしれません。クヌギの木を見つけたら、次は樹皮がめくれていて樹液が出ている場所を探します。この2つがセットになっている木が見つかれば、半分クワガタが採れたと言っても過言ではないでしょう。クヌギの木を探す場合は明るい昼間に行います。なお、クヌギ以外ではコナラ,ヤナギ,カシ等の木の樹液にもクワガタムシは集まりますが、まずはクヌギの木を探しましょう。

クワガタムシやカブトムシは夜行性ですが、昼間でも採集できます。夜間は暗く危険なため、通い慣れて状況が把握できている場所のみで行うようにします。クワガタムシは木のめくれなどの隙間に隠れています。木のめくれの隙間に入っているクワガタムシを捕まえるのは手間がかかりますが、絶対にめくれを剥がしてはいけません。めくれを剥がすと捕まえるのは簡単ですが、それ以降クワガタムシが採れなくなってしまいます。めくれが再生するには5年10年という年月がかかりますし、場合によっては再生しないかもしれません。めくれを剥がさなければ、毎年採集ができます。なお、めくれに隠れているクワガタムシは、太い針金や細い木の枝を使って引きずり出します。仮に奥に入られて採れない場合は、次の日に採りに行くなど時間をあけます。住み心地のよいめくれであれば、長い期間居座ることが多いため、採集のチャンスは再び巡ってきます。

他の方法としては、発酵させたバナナなどのエサを木につけるトラップでの採集や、街灯の明かりに集まるものを捕まえる街灯採集という方法もあります。トラップによる採集は昼間にクワガタムシやカブトムシがいそうな場所にトラップを設置し、夜に見に行くという方法である。活発に飛び回って活動をするカブトムシは採れるかもしれないが、クワガタムシには効果が薄いようである。また、設置したトラップは採集後に必ず回収しなければいけません。そのまま放置しておくと、ゴミを捨てているのと同じになってしまいます。街灯採集は地域や環境により飛んでくる数が違うようで、大量に採れる場合や、ほとんど採れない場合があるようです。

クワガタ採集に行くと、危険な生物に出会う場合があります。特にオオスズメバチにはほぼ毎回遭遇します。樹液を吸いにやってくるため、クワガタを見つける前にオオスズメバチを見つけることが多いくらいです。近づくと威嚇してくるため、いなくなるまで遠くで見守るのがいいです。また、樹液周辺のめくれにはクワガタではなくムカデが隠れている場合があります。毒を持っているため、噛まれないようにします。この2種は特によく遭遇するため、注意が必要です。また、森林内はカ(蚊)が非常に多いこともあるため、長袖長ズボンがいいでしょう。その他にも、毒蛇(マムシなど)や、山奥だとイノシシやクマが出る場合もありますので十分に注意してください。

ヒラタクワガタ

日中は樹液の出ている場所の近くの大きなめくれに隠れている。体全体が隠れるような狭くて奥行きのある場所を好みます。そのような場所は数が少ないため、採集難易度も高くなります。コクワガタのように見える場所にいることはほとんどないため、慣れるまではなかなか見つけられないかもしれません。また、隙間から針金などで引きずり出す際も、クワガタが踏ん張ってなかなか引きずり出せないことが多い。無理に引きずり出すとクワガタを傷つけることになるため、駆け引きが必要である。温暖な場所を好むため、標高の低い平野部に多い。平野部の住宅街の横にある小さな林やクヌギがたくさん生えている公園などにも生息しています。

コクワガタ

日中は樹液が出ている場所の近くのめくれや隙間に隠れています。小さなめくれに頭だけ突っ込んで体半分は見えている状態で隠れている個体もいます。また、木が二股に分かれている部分の隙間に隠れていることもあります。狭い隙間なら何でも入るためか、体が見えていることも多い。そのため、比較的簡単に見つかります。また、個体数も多いため、採集は簡単です。標高に関係なく生息しています。平野部の住宅街の横にある小さな林やクヌギがたくさん生えている公園などにも生息しています。

スジクワガタ

日中は樹液が出ている場所の近くのめくれに隠れていることが多い。やや涼しい場所を好むため、少し標高の高い山の中で探す方がよい。山ではコクワガタと同じような場所にいる。

ノコギリクワガタ

めくれや隙間に隠れることはほとんどない。日中に樹液の出ている木を蹴ると落ちてくることが多い。しかし、落ちてきたときに落ち葉に埋もれたりして見失って採集できないことも多い。平野部の住宅街の横にある小さな林やクヌギがたくさん生えている公園などにも生息しています。

ミヤマクワガタ

めくれや隙間に隠れることはほとんどない。日中に樹液の出ている木を蹴ると落ちてくることが多い。しかし、落ちてきたときに落ち葉に埋もれたりして見失って採集できないことも多い。涼しい場所を好むため、標高の高い場所で探すとよい。西日本では標高200m以上の山の中が適しています。

カブトムシ

昼間に樹液にいることはあまりない。クワガタムシのように隙間に隠れることは基本的にありません。樹液が出ている木の根元に落ち葉がたくさんある場合は、その落ち葉の中に隠れている場合があります。カブトムシがいないか落ち葉をのけて探した場合、あとで落ち葉を元に戻しておきます。そうすることで、カブトムシの隠れ場所を維持するとともに、水分の蒸発も抑えることができ、木が枯れたりするのを抑制できます。

7月下旬であれば、日が暮れた午後8時頃から活動を開始しているようで、この時間に樹液の出ている木に行くと、カブトムシが採れる場合があります。

関連項目