キリギリスの繁殖方法(産卵方法)を解説します。キリギリスを繁殖(産卵)させるために必要なことや環境,注意点,卵の管理方法ついて解説します。
キリギリスを繁殖(産卵)させるためにはまず交尾をさせないといけません。メスには長い産卵管と呼ばれるものがお尻(腹)の先端から生えているため、これがある個体がメス、無い個体がオスとなります。オスとメスを同じケースに入れておけば、通常であればそのうち交尾します。このとき、共食い防止のために、広めの飼育ケースに入れるようにします。また、エサもいつも以上に十分に与えるようにします。野外で採集したキリギリスのメスは、すでに交尾済みの場合もあるため、メス単独でも産卵する場合があります。
土(マット)を入れることができるケースに土(マット)を7~10cm程度入れます。なお、土(マット)が少なすぎるとうまく産卵できない場合があるほか、霧吹きなどで土(マット)を湿らせた際に、卵が水没して死亡する可能性もあります。卵は土(マット)の表面から3cm程度のところに産みつけられるため、霧吹きで湿らせた際にケース底面に水がたまった時の余裕も考慮すると、土(マット)は最低でも5cmは必要となります。土(マット)はスズムシ用のマットが便利です。なお、庭などの土で問題ありませんが、雑虫が入っている可能性があるため、加熱処理等をして殺菌殺虫を行います。
ケースに土(マット)を入れる場合は、土(マット)を固めずにそのまま入れるだけで問題ありません。土(マット)をケースに入れたら、霧吹きで適度に湿らせて交尾済みのキリギリスのメスを入れればよい。なお、最初から土(マット)を入れたケースでオスとメスを飼育し、そのまま飼育を継続するというのでも問題ありません。この場合だと、メスだけ産卵用ケースに移動させるということをしなくていいため、交尾をしていなくて産卵しなかったということにならないという利点があります。ただし、共食いが起こらないように注意する必要があります。
キリギリスの卵は産卵した翌年の春に孵化しますが、さらに翌年(産卵した翌々年)に孵化するものもいるようである。孵化までの間は、土(マット)が乾燥してきたら霧吹き等で湿らせます。この時、土(マット)を湿らせすぎてケースの底面に水がたまらないように注意します。水がたまりすぎてキリギリスの卵が水没してしまうと、卵が死亡する場合があります。なお、産卵後のケースの保管は暖房を使わない場所で、できるだけ自然環境の気温に近い環境がよい。1階の玄関のように冬季に暖房を使わない場所であれば、1日の温度変化も小さく自然環境に近い温度になります。キリギリスの繁殖方法はスズムシやカブトムシなどの昆虫のように確立されているものではないとされているため、より自然環境に近い環境で卵を保管することを推奨します。
キリギリスの卵の孵化は保管している場所の気温など環境によって異なりますが、4月下旬~5月上旬頃になります。孵化した幼虫の飼育に関しては、キリギリスの飼育方法の幼虫の飼育方法の項目をお読みください。