アメリカザリガニ(ザリガニ)の飼育方法(飼い方)と繁殖方法(産卵方法)を解説します。アメリカザリガニを飼育するために必要なものや飼育環境,エサ,注意点、繁殖に必要なことや交尾のさせ方ついて解説します。
脱皮直後や大きさに差がありすぎると共食いが起こることがあるため、できるだけ単独で飼育します。単独飼育の場合、飼育ケースは小さな個体で20cm四方,大きな個体で30cm四方程度の物を使います。複数飼育をする場合は、飼育数に応じて大きな飼育ケースを使います。脱走防止のため、高さは飼育するアメリカザリガニ1匹の大きさよりも高いもの、複数を飼育する場合は飼育するアメリカザリガニの大きさの2倍よりも高いものを使用します。例えば、8cmのアメリカザリガニを1匹飼育する場合は高さ8cm以上,2匹以上飼育する場合は2匹分である16cm以上の高さが必要です。なお、しっかりとフタができる場合は低くても問題ありません。
水深はアメリカザリガニの高さの最低2倍になるようにします。水深が浅いと脱皮に失敗する場合があるようです。水は2日以上汲み置きしてカルキ(塩素)を抜いたものを使います。
エアーポンプやろ過装置はなくても飼育はできます。エアーポンプを使う場合は、チューブを伝って脱走する場合があるようなので注意が必要です。エアーポンプを使わない場合は、石やブロック等を入れて水面に行けるようにします。アメリカザリガニは水面から空気中の酸素を取り込むことができるため酸欠には強い。水面付近で横になっているのを観察できるかと思いますが、これが空気呼吸と呼ばれるもので空気中の酸素を取り込んでいるのです。
アメリカザリガニは隠れる性質があるため、割れた植木鉢などで隠れ家を作るとよい。単独飼育の場合はなくても特に問題はありません。複数飼育をする場合は、飼育数と同じだけ隠れ家があった方がよい。石やブロックで作った陸や隠れ家の上に乗って、脱走を試みる場合があるため、陸や隠れ家を作っている場合は、上記の必要な高さと陸の高さを合わせた高さにするなど高さに更に余裕を見るようにする必要があります。砂利は敷いても敷かなくてもどちらでもよい。水草は入れてもザリガニのエサになるだけである。そのため、レイアウトなどエサ以外の目的で水草を入れる必要はありません。
水温30度を超えると暑さで死ぬ場合があるため、30℃を超えないように注意します。1日の水温変化はできるだけ小さいほうがよい。昼間は明るく夜は暗い場所で飼育します。場所としては屋内の1階であまり人が活動しない場所で飼育するのが適しています。
エサはエビやザリガニ用の人工飼料の他に、ミミズやニボシ等も食べます。エサは大きくてもハサミでちぎって食べるため特に問題はありません。1日1~数回、食べきる量を与えます。石やブロックで作った陸があり水面に届く場合は浮いているエサも食べることができます。水面に届かない場合は、沈むエサを与えるようにします。水換えは水が汚れてきたら行います。水換えの際に、飼育ケースやその他の汚れているものも洗うようにします。
冬季は水が凍らない環境であれば特に問題ありません。冬季はほとんどエサは食べないため、時々エサを与えて様子を見て、食べるようであれば数日に1回程度与え、食べないようであれば与えなくてもよい。
繁殖(産卵)させるためにはまずは環境を整えます。可能な限り自然と同じ水温や日長時間(昼間の明るい時間の長さ)になるようにします。室内で飼育する場合であれば、昼間は明るく夜は暗くなる場所がよく、屋内の1階であまり人が活動しないような場所が適しています。
環境が整えば交尾をさせます。7cm前後以上のオスとメスを同じケースに入れます。繁殖期は春~夏頃のようです。腹脚(腹の裏側にあるひも状の部分)を見るとオスとメスの判別ができます。全体的に腹脚が大きいものがメスで、全体的に小さいが第1腹脚と第2腹脚(頭側に近いほうの腹脚)のみ太くて白く大きいのがオスとなります。
交尾を確認、または一定期間(数週間)がたてば交尾をしたものと判断し、オスとメスを分けます。交尾をしていればしばらくするとメスは腹に卵を抱えます。孵化後の稚ザリガニはしばらく親の腹の下で過ごしますが、やがてひとりだちしていきます。この頃になれば親と子を別居させないと子ザリガニが親ザリガニのエサになってしまいます。
稚ザリガニ(子ザリガニ)の飼育方法も基本的には親ザリガニと同じです。ただし、エサは体の大きさに合った小さめのものを与えるようにします。なお、卵を抱えている期間や稚ザリガニが腹の下で過ごしている期間も、メス親ザリガニにはエサを与える必要があります。エサ不足になると卵や稚ザリガニを食べてしまうかもしれません。